RIKI-TRIBAL(リキトライバル)

長野市に暮らすようになって、カフェマゼコゼという場所を持ってからは、マゼコゼの小池さん、とかマゼコゼさんって呼ばれるようになってしまって、私たちの屋号…RIKI-TRIBAL(リキトライバル)は殆ど知られていない。
結果、小池さんていつもマゼコゼにいるんですか?とか、ほんとうは何する人なんですか?…って感じで、私が何者なのか知らない人は多いと思う。

RIKI-TRIBAL的には、Cafeマゼコゼは 妻であるつねこさんの担当 、RIKI-TRIBAL的なArt担当が私・・小池マサヒサ。
…??
まぁ、これでRIKI-TRIBALを知って欲しい。。。ってのはどだい無理な話し…。
でも正直
これじゃぁやばい!!…と思う今日この頃

昔も今も、東京に暮らしている時も長野で暮らし始めた今も、RIKI-TRIBALなArt活動?ってのを面倒臭がって伝えていない…伝わっていない。
ほんと…どうしたらいいのだろうか?…誰か教えてほしい…。

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2002年のPlanterCottage外観

 

RIKI-TRIBALという屋号で活動を始めたのが1999年3月。東京の国立市にPlanterCottageという場づくりを始めた時と同時なので、RIKI-TRIBALとしての活動は13年目。
PlanterCottageBlog
できること・していることは昔も今も変わらず…変われず? RIKI-TRIBALは、Sustainabilityをテーマに「場をづくり」を行っています。
Sustainability…持続可能性は、循環が連鎖する状態…ぐるぐる周りめぐって元に戻る…みたいな感じ。
テーマは実に素晴らしいと思うのですが、現実は、日々のあれこれに追われて眼がぐるぐるまわっちゃって、なかなか前に進めない…という矛盾を抱えているのがRIKI-TRIBAL。

 

本屋さんや美容室や飲み屋さんや花屋さんやカフェや○○さん宅をつくったり、大工さんになったり左官屋さんになったり水道屋さんになったり、看板や椅子やテーブルや棚や照明や薪ストーブをつくったり、子供と一緒にキャンプしたり、絵を描いたり工作したり、山に木を切りにいったり、薪を割ったり火を焚いたり…。
まぁ、RIKI-TRIBAL的にあれやこれや色々やってます…ってのが本当なんだけど、そんなあれやこれやを、とにかくみ~んな知ってもらうしかないんだろうなぁ…って思います。

 

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文京区O邸鉄鍛造門扉
私がつくる時、多く使う素材は鉄、木、土。特に鉄は鍛造(鍛冶屋仕事)という手法を用いることが多くて、この写真にあるような大きなものをつくるのは時間もかかるし体力的にも結構大変。

 

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下北沢雑貨屋DJENNE
アフリカに魅せられた女の子が始めたアクセサリー屋(既に閉店しました)砂漠の遊牧民のテントをイメージし天井には海に流れ着いた大量の流木を使っています。

 

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代々木上原の古本屋Lospapelotes
人気の古本屋さん。Art本や絵本もたくさんあります。自分的にこのデザインは結構お気に入り。小田急線代々木上原下車1分です。

 

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国立市の茶道具屋 茶室 虚空庵
残念ながら既に閉店してしまったけれど、自分的にはかなり入り込んでつくった茶道具屋さん。けれど・・・
う~ん、やはり閉店は店舗の宿命か…と考えさせられます。

 

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国立市 A邸のベランダ 空き缶積み+左官
オルタナティブ工法?空き缶積み。 空き缶積みは大きな強度が得られることは研究で実証されています。
それに+左官で自然で自由なラインがつくれるので、私的にはお気に入りの手法です。

 

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横浜市 H邸 アジアンなキッチン
ネパールに何度も旅行に行っているという夫妻の住む家の、洞窟のようなキッチン。

 

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日野市 自然食料品店 自然甲斐

 

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川崎市 M邸 洗面台

 

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吉祥寺 美容室Laugh tab floor
東京武蔵野吉祥寺の、路地裏にある美容室。鉄と土を大量に使い、暗めの照明の店内は美容室というよりはバーな感じ。かっこいい!です。

 

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岩手県葛巻町 森と風のがっこう
岩手県葛巻町の山村の廃校となった学校をつかって続けられている場づくり。
今年から開催される循環の森づくりでは私も講師としてワークショップを行います。

 

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RIKI-TRIBAL 代表

 

…ということで、コンポストトイレについてのあれこれも、RIKI-TRIBAL的なArtな仕事についてのお話しです。

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Q:なぜコンポストトイレなの?って聞かれて、
A:興味があったから…と答えてしまえば、
やっぱり小池さんてちょっと変わってますね。で終わってしまうかもしれません。
だから、今回はちょびっとだけ社会背景も交えながら、自分の浅はかな知識をひけらかしてしまおうと思います。

 

Ecological sanitation…エコロジカル・サニテーションって聞いたことはありますか?
Ecological sanitationは文字にするとちょっと長いので、Ecosan とか Eco-san(エコサン)と書いたり言うことがほとんどです。
これを簡単に言ってしまえば、「生態系を考慮した衛生のしくみ」
もう少し詳しく言うと、
「人や動物の排泄物を、水を使わずに汚染や病気を防止・安全なものに変化させ、農作物の育成に利用する方法」
ようするに、“うンコとおシッコを肥料にしちゃえ!”っていうしくみ…と覚えても間違いじゃありません。

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うンコもおシッコも資源として活用すればゴミじゃなくなる…という循環のしくみそのものがEcological sanitation(Ecosan)
“Composting toilet”はEcological sanitationを具体化する装置です。

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ほんの少し前までの日本には、排泄物(うンコやオしッこ)を廃棄物としてでなく資源として扱い、その中に含まれる栄養素を再利用するしくみが暮らしの中のあたりまえとしてありました。
江戸時代の中期にはし尿のリサイクルシステムが完成し、し尿の買い取りのしくみがつくられていたようです。
江戸時代からSustainability(持続可能性)を学ぶ…は今や常識になりつつあります。

 

昭和に入り工業発展が国の政策として重視されるようになると、次第に農村から都市に人口が集中し始め、し尿の供給はだぶつき始めます。
都市部ではし尿の浄化が必要になりますが、その殆どは海洋投入処分をせざるを得ない状況になります。そして戦後…昭和20年代半ばになると食料不足から化学肥料が大量に利用されるようになり、し尿の需要は更に低下します。
これにさらに拍車をかけたのが、GHQの指導で昭和25年に作成された、「し尿の直接農地散布禁止令」でした。結果、町中にし尿が溢れ、あらゆるところに不法投棄され始めたことで伝染病が大流行。
都市部には下水道の整備と共に超大規模なし尿浄化槽が造られ、発生するし尿の処理が始まり現在に至っています。ちなみに2010年の日本の下水道普及率は73.7%、長野県は78.5%、長野市は84.7%、東京都は99.2%だそうです。
http://www.jswa.jp/suisuiland/3-3.html

Ecosanの取り組みが積極的に行われているのは、先進国側から発展途上国と呼ばれている国々がほとんどです。
でもしかし、こうした国々こそEcosanでは先進国なのです。
ようするに、下水道が普及率が高い国々、都市ほど、エコロジカルサニテーションへの注目度、必要性は低くなるということ。
Sustainability(持続可能性)のリアリティーはEcosanのリアリティーに比例します。
超がつくほどの巨額を投じて建設され維持管理される下水道や汚水処理場が整備されたにも関わらず、下水道を使わない…トイレも水洗化しない…なんて人は、間違いなく変わり者…あきらかにマイノリティーです。
でも、そんなマイノリティーな人々がみんな社会に迷惑をかけている…かけてしまうとは限りません。
でもしかし…そうとは言っても、今の日本の状況を考えれば下水道や下水処理施設型からEcosanに切り替えることはできないでしょう。
だからこそEcosanには大きな可能性がある…もっとたくさんの人がEcosanを知って、そしてEcosanを経験してみてほしいと思います。
それは、私たちが矛盾を抱え込まないための大切な一歩なのです。

 

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言うまでもなく、3.11の被害はあまりに甚大、深刻ですが、電気、ガス、水道といったインフラ=infrastructureの損傷は想像以上に大きく、完全復旧にはまだまだ時間がかかりそうな状況のようです。
各地で上水道が破壊され、水道からの飲料水確保は難しくなっていますが、それ以上に、下水道と下水処理施設の損傷の影響はかなり深刻。上水にくらべ下水は目に見えづらいので気がつきにくいのですが、汚水の処理ができなくなるということは、汚れた水や排泄物の行き場所が無いということ、簡易トイレに溜まった排泄物を収集しても処理することもできなくなってしまうのです。
2011年4月1日の国土交通省の発表によると、岩手県、宮城県、福島県にある下水処理施設147カ所のうち設備損傷が47カ所、稼動停止中の施設が21カ所という状況。復旧には2年から3年かかると見込まれているそうです。
下水処理施設の被害が大きかった理由は、排水施設はどうしても標高の低い場所に作る必要があるため、当然津波の被害も受けやすいから。
東北地方の中でも、下水道が整備され、超大規模なし尿浄化槽による下水処理システムの普及率が高い都市部ほど、事態は深刻です。
こうした現実も、超巨大インフラに頼らざるを得ない私たちの暮らしそのものが抱えてしまった矛盾なのかもしれないと思います。
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私の感性をビリビリ刺激してやまない、故フンデルトヴァッサー氏がデザインした、大阪舞洲スラッジセンター。
当初の計画からかなりの変更を余儀なくされたようですが、それでもフンデルトヴァッサーが下水処理場をデザインしたのか?についてもっと日本人に知って欲しい・・・。
下水処理場には汚水を処理する『水処理施設』と、汚水を処理した後に残る汚泥を処理する『汚泥処理施設』がありますが、この舞洲スラッジセンターは『汚泥処理施設』です。

 

自然界では動物の排泄物は、植物の栄養素を供給し土壌の状態を良く保つという本質的な役割を持っています。
自然界における動物にはもちろん人間も含まれます。

人間の排泄物中の植物栄養素のほとんどは尿中に発見されているそうです。
成人一人当たり年間で約400 L の尿を排出し、それには4.0kgの窒素、0.4kgのリン、0.9kgのカリウムが含まれている。しかもこれらの栄養素は植物に吸収されやすい理想的な状態…窒素は尿素の形で、リンは過ジン酸塩の形で、カリウムはイオンの形でで存在するしていて、尿中の栄養素のバランスは化学肥料のバランスと比べても十分に適しているということです。

あぁ…もったいない、もったいない。

 

Q:ではなぜ?これが使われず下水道に流されてしまうのでしょうか?

 

答えはRIKI-TRIBALまでどうぞ。

 

小池マサヒサ 記

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