畑の家(東京都国立市谷保)ロケットストーブWS  報告その3

2012年12月15日 東京都国立市でのロケットストーブWS

RIKI-TRIBAL SUSTAINABLE ART WORKS
Rocket Stoves & Biomass Cooking Stoves Workshop

「ClockType RocketMssHeater Ver.2012」

東京都国立市で開催した『畑の家』WS報告の最終回です。

今年夏…岩手県葛巻町にある「森と風のがっこう」で「森のアトリエWS」を行いました。このWSは森と風のがっこうが昨年から行っている、”子育てと循環の森プロジェクト”を進めるにあたって開催するWSの一つで、森のアトリエは、森と人をつなぐ為の中心的な場となるところ。この森のアトリエのイメージは『森のえほん図書館』…「絵本」が森と人を緩やかにつないでいってくれることでしょう。
WSでは、この森のアトリエ本棚と共に、このアトリエを暖房するためのロケットストーブヒーターをつくりました。
真冬にはマイナス25℃近くまで下がる森風には薪ストーブは欠かせません。
10月半ばから4月いっぱい…実に一年の半分以上が冬であるここでは、大切な薪を如何に効率良く燃焼させるかは、ここでの暮らしにとっての最も身近なエネルギー問題でもあるのです。

薪の種類や質、ストーブの出来によって違いはありますが、いわゆる焚き火で燃やす薪の量を1とした場合、ロケットストーブでは少なくとも1/2…場合によっては1/5まで薪の量を減らすことができるとも言われています。
この薪の量が減る最も大きな理由は、”煙を燃やす”ことのできる燃焼のしくみにあります。この煙を燃やす燃焼構造(二次燃焼システム)は、ロケットストーブに限らず、多くの市販されている薪ストーブにも採用されているしくみ…単純に薪の燃焼効率だけの比較をすれば、巨額を投じて設計・制作された、薪ストーブメーカーのストーブの方が、手づくりロケットストーブなんかよりもずっと燃費が良いのはあたりまえかもしれません。

薪ストーブというと燃費ばかりを気にしがちですが、ロケットストーブ構造が考案された目的性はそもそも燃費の向上だけを目的としていたのでは無かったことを私たちは忘れがち…知らない人も多いと思います。

もちろん、ロケットストーブの性能をより向上させることが悪いとは言えません。
性能を高め、この燃焼構造をさらに付き詰めて行けば、もしかするとやがては、ストーブメーカーのストーブと何ら変わらない製品にまで進化してゆくのかもしれません。
…でも、そうなることについてあれこれ考えてみると…メーカー制の薪ストーブにとは違う…ロケットストーブだからこそ可能なことが、実にたくさんあることに気付きます。…でも私がいま、そうした可能性について話してしまうことは結局、ロケットストーブの可能性を摘み取ってしまうような…
ロケットストーブの性能だけを高めてゆくことと同じような気もします。

あえて言うとすれば、隙間だらけなところがロケットストーブの最大の魅力…この隙間があるからこそ、ロケットストーブはたくさんの人々を魅了するのだと思うのですが…。

「ああ~~なんだよ~!全然燃えね~じゃん…」
「やった~!!火がついた!」
「おっ!煙が少ない!」
「薪拾いにいかなきゃ…」

いま、この国で暮らしていると、ついつい忘れがちなことがたくさんあります。
でもその忘れがちなことこそが、私たちがこの世界に生きるみんなと一緒に生き続ける為に最も必要なことだと私は思います。

写真①:森と風のがっこう
「森のアトリエ」のロケットストーブマスヒーター+ヒートベンチ
写真②:畑の家WS 時計型 改 ロケットストーブヒーター制作中
写真③:ClockType RocketMssHeater Ver.2012 Ver2012
写真④:もろもろ

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