「世界」

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なにかおかしい…、なんとなく納得させられてはいるけれど、どこか騙されているような気がする…というような気配が社会全体を覆っている。
誰もが何も、心からは信じられない…信じてはいけない…という気配は、私たちから生きる力を奪い去る。
身近にあるものを疑い、信用することに臆病になった私たちは、此処に対して目を閉じたまま世界に対して目を向ける…。

友だちがFBでシェアしていた記事を読んで、縺れていた糸がほんの少しほどけたような気がした。
http://www.huffingtonpost.jp/maiko-morishita/ticad-v_b_3373974.html

世界では…と語れるほど世界が単純で小さなものでは無いことは誰もが知っている。
…にも関わらず、世界基準、世界的…という言い回しに翻弄され、何処にも無い世界と自分を比較し続ける、世界的な先進国に暮らす私たち。
ここから遠く離れた、風土も文化も異なる様々な国々との関係を押し並べて 世界 という括りで語ることに なんとも言いようのない違和感を拭えないのは私だけではないはずだ。

世界的に活躍することが成功だとか優秀だとか評価されている限り、私たちの…この国の未来は極めて危うい と私は思う。
自分の足元すら見えないような…自分の立ち位置が定まらないままの世界的な活躍や世界的な成功などあり得ない。

プロサバンナ(ProSAVANA)事業は、アフリカ モザンビークで日本政府並びにJICAが力を入れる大型農業開発ODA事業で、1970年代、日本がブラジルに対して行った農業支援「プロデセール(PRODECER)」をモザンビークで再現しようとする試みだ。
日本政府とJICAはODA事業として日本向けに適した大豆品種の開発や安定した収量確保のための農業支援を行い、こうした大豆を商社などが買い受け、日本の食卓へと届ける…と同時にモザンビークの貧困削減と小規模農家支援にも資するという。

世界的な農業支援と聞けばそれが何処の国で行われていようがなんとなく納得してしまう…私たちは世界に貢献しているのだと…世界とはそれほどに広くて大きい。
モザンビークはいま、日本による世界的な農業支援を受けようとしている。

私たちが信じられるものは何処にあるのだろう。
それは世界の何処かにあるのではない…それは私たちのすぐ足もとに、振り向けばすぐ手の届くところにこそあるのだと私は思う。

(写真:日本国際ボランティアセンターHPより)

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