「東北 釜石」

東北は1年ぶり。
岩手県の沿岸、釜石市でのあるプロジェクトについて相談を受け、現地視察と打ち合わせに向かった。
私と東北との繋がりは既に10年以上になる…岩手県葛巻町にある「森と風のがっこう」と繋がって以来、東北は…とりわけ岩手は、実にたくさんの気付きを私に与えてくれている。
今回のプロジェクトは、その森風の元スタッフのキビが、釜石市へと活動の場を移したことがきっかけで、彼が所属する「三陸ひとつなぎ自然学校」が始める新プロジェクト。
http://www.fukko-todai.com/santsuna/
『根浜コミもりプロジェクト』と名付けられたこのプロジェクトは、3.11の津波によって、死者・行方不明者約600名という大きな被害を出した、岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)町の沿岸…根浜海岸にある、旅館「宝来館」の裏山エリアを中心に行われる。根浜の森からこれからのコミュニティーを考えるプロジェクト…といった感じか。http://michinokushigoto.jp/archives/7830

…で、私がここで何をするのか。
正直なところ、このプロジェクトの目的は掴みきれないままに釜石に着いてしまった。
とはいえ、いままで何度も一緒に「場」をつくってきた仲間からの誘いでもある。
言葉にするのは難しいけれど、自分とキビとの間では、このプロジェクトが目指すものが、なんとなく共有できている…ような気もしているのだが。
これからはそれを…、根浜の人たち、プロジェクトに関わってくれる人たちと共有してゆかねばならない。

「ここで暮らすということ」
「ここで生きるということ」
「みんなと一緒につくるということ」
こうしたことを、一人ひとりが自分で考える為にはどうしたら良いのか。
これからの根浜、これからの釜石…。
私たちみんなが生きるこれからの社会は繋がっていると感じるための場。
それは言い換えると、『いま・ここ』を感じる為の感覚を育む為の場づくりなのだと思う。

震災から3年。鵜住居町のうち、根浜地区の居住区域の整備計画は完了したそうだ。
震災前、鵜住居川が大槌湾へとそそぎ込む河口には、山から運ばれる砂が海によって打ち寄せられ、南北2kmに渡って美しい白い砂浜が続いていた。だがそれも、津波によって殆どが消滅してしまった。
既に鵜住居川の河口には巨大な水門工事が始まり、この水門から鵜住居町中心地側(北側)には、高さ14Mの防潮堤がつくられる。
これに対して鵜住居川の河口から南へと続く海岸…根浜地区の住民は防潮堤は築かずに現在の海岸線を残したまま、住居を高台へと移転するという選択をした。 今後は、海や山も含めた非居住区域…地域全体の関係づくりが本格的に始動する。

「根浜コミもりプロジェクト」はまだおぼろげなイメージの段階。
しかし、未来は「いま・ここ」の先にある。
「いま・ここ」の先にどんなイメージを描くことができるのか。しばらくは、長野から繋がりの網の目を手繰ってみようと思う。

釜石

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