「つちくれ」

マゼコゼの隣りの部屋、土蔵づくりの建物の1階南側の部屋にRocket mass heaterを製作・設置した。
善光寺門前の古い荒物問屋の倉庫だったこの土蔵。町のお年寄りによると戦前には既にここにあったということだから、少なくとも築80年は経つのだろう。
南側に小さな窓があるこの部屋は当初、アトリエとして、主に鉄の仕事をカフェを訪れてくれた人にも見てもらおうと思ったものの、鉄を鍛くと大きな音も出るし匂いも出る、埃も舞う…いつの間にか元のとおりの倉庫となってしまっていた。
Cafeマゼコゼには、行き場のない私と妻が所有する本、友人から頂いた本をはじめ、私たちが気になったもの…友達のつくった作品やあちこちで買い求めたもの、お土産、散歩しなら拾った枝や葉っぱ、空き瓶、空き缶、錆びた鉄屑、蜂の巣、海や川で拾った漂流物…などなど、他人からすれば意味不明のものたちがゴチャマゼに並んでいて、そこにさらに山に暮らす人だとか街に暮らす人だとか、犬だとかがやってくる。
来るものは拒まず去るものは追わずとは言え、一度置かれたモノたちがそこを動くことが殆どないマゼコゼは、日毎混沌さが増しつづけている。
少し前まで「…カフェってもう少しスッキリしてるものなんじゃないの?」と言っていた娘も、最近はもう何も言わなくなったけれど、どこに何があるのかを把握するのはそろそろ限界が近い。
カフェマゼコゼをはじめて5年。穴から這い出せそうな、ようやく動き出せそうな気配がしてきた。
今年嬉しかったこと。
それは「造形教室 つちくれ」がはじまったこと。
だからこの部屋の名前も「つちくれ」

 

すぐそこの山で役割を終えた木が、土になり水になり。
燃える。
燃える火を感じながらつちくれたちが思い思いに想像する。
私たちに必要なことはすぐそこにある。
想像する。私たちがどこからここへやってきたのかを。
それは難しいことじゃない。
でもそれにはほんの少しのきっかけと勇気が必要。
振り向くために必要なほんの少しのきっかけと勇気が。
想像するってそんなこと。

 
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