Mountain tribes without borders 〜国境なき山岳民族 より

ネパールの政治的混乱による影響を考慮した結果、延期となったMountain tribes without borders 〜国境なき山岳民族のネパール支援活動。
現在のネパールの混乱をきっかけに、私たちの活動の方向性、具体的な支援策を、あらためて考えなおしています。

Mountain tribes without borders 〜国境なき山岳民族は、国境や境界線という意識を乗り越え、共に未来を想像しようとする想いを持ち、行動する個人の集まりです。
メンバーは限定していませんが、発起人である主要メンバーは現在、長野県長野市近郊に暮らしながら、山が持つ潜在的なエネルギーと可能性を感じながら、過疎化・高齢化によって疲弊、荒廃する山とのこれからの関わり方を模索しています。
長野市に限らず日本の山間地域の多くは、過疎化・高齢化が著しく、里山は荒廃の一途を辿っています。こうした原因を特定することは難しいことですが、背景には第二次世界大戦終了後に始まった急速な都市化と輸入拡大があることは間違いないでしょう。
特に原油を始めとするエネルギー資源を海外から輸入に全面的に頼るようになるにつれ、かつて日本のエネルギーと食料の供給地であった山や森の必要性は失われ、山に暮らした人々は山を離れざるを得ない状況となっていったと考えることができます。

私たちが地震で被害を受けたネパールの山岳地域に対して支援しようとしている背景はここにあります。
これからの山の暮らしにはもはや国境は必要ないのです。

日本との違いはあれどネパールも急速に都市化し、少し前までは自給自足に近い暮らしを営んでいた山岳地域にも貨幣経済は多分に影響し、お金を稼ぐために都市へと出稼ぎに向かう人も大勢います。
暮らし方の変化、流れを単純に食止めることはできませんが、100を越える民族から成る多民族国家ネパールでは、山岳地域の集落そのものが一つの民族によって構成されていることも多く、村一つはその民族にとって他には代えがたい国のようなもの…。
今回の地震によって壊滅的な被害を受けてしまったそうした山岳地域に暮らす人々がこれからも同じ場所で暮らし続けてゆくためには、できる限り都市に依存しない、持続可能な山岳地域ならではの暮らし方を創造しなくてはなりませんが、新しい国になって間もないネパールは未だ政治状況が安定せず、加えて外部からの圧力は山岳地域の再建にも影響しています。
そうした中、私たちが考えている支援は、山岳地域の主要エネルギー源である木質(薪)燃料を少しでも効率良く使い続ける仕組みに通じるかも…しれない提案です。
山に暮らす仲間として、私たちからの提案が少しでも役立つように、この混乱が落ち着くまでもうしばらくの間、準備したいと思います。

http://www.asahi.com/articles/ASHBR4K4THBRUHBI01F.html

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