このブルキナファソの土の家づくりの記録が、いつの頃のものかはわからない。
自分はこうした家づくりの姿に、強く魅力を感じてしまうのだが、ふと、先進国と呼ばれる国に暮らす自分のような者が、のほほんと動画を眺めながら、こうした暮らしが残っていて欲しい…などと思ってしまうことを、ブルキナファソに生きる人々はどう思うのだろうかと考える。
グローバルリズムの嵐は、当然、アフリカ諸国をも巻き込んでいる。過剰な人口増加によって仕事は不足し、周辺諸国への出稼ぎに頼る他なく、国内では電力需給を賄うことができず、隣国から電力を輸入する。こうした状態から、いかに脱するかが国としての重要な課題であることが予想できるものの、貧困は様々に連鎖し、格差はより広がるばかりが現状だ。
今、南ア以外(既に2基稼働中)、アフリカの10の国が原発推進に積極姿勢を見せ、そのうち、2025年までにおそらく5つの国が原発を保有する公算が高いとされているそうだ。
さらに、IAEAによれば、新たに原発開発を志そうとする国の、実に3分の1がアフリカ諸国だそうで、こうした動きは、経済問題、エネルギー問題を解決する切り札として期待されていることに加え、全世界のウラン埋蔵量の2割をアフリカが秘め、34カ国で採掘可能とされていることと大きく関係している。
とすれば、そこには必ずや、核開発技術を持った国々もまた関係しているはずで、今後益々、アフリカ諸国は原発に翻弄されてゆくであろうことが懸念される。
土の家づくりが単純に、そうした原発推進を思い留まらせる方法になるとは思ってはいないものの、こうしたことが忘れ去られ、無くなってしまうことによって、原発推進はより加速するであろうことは間違いない。
だからこそいま、ここで。
難しいことを考えるのではなく、自分の手で土を触り、みんなで一緒に家をつくる。
「家はつくれないもの」という概念を打ち壊し、そうしたリアリティーを一つ一つ積み重ねてゆくこと。
そうすることが、原発を無くすために自分たちが今すぐにでもできること、どうしても必要なことだと思うのだ。
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