Thappi と呼ばれるこの技法は、南インド・ラジャスタン州の伝統的手法のようで、シルクロードの途中でもあったここ、ラジャスタン州には、この技術を用いた建築が多数残っているようだ。
Plasterを用いる建築(左官)技法は世界各国に見ることができる。
その原料は石灰岩。
主成分は、炭酸カルシウム。
有孔虫、ウミユリ、サンゴ、貝類、円石藻、石灰藻などの生物の殻(主成分は炭酸カルシウム)が堆積してできたものと、水から炭酸カルシウムそのものが化学的に沈殿したものがある。
石材として分類される大理石も石灰岩一種。
セメントの原料も同じ。
日本の左官で用いられる漆喰は、石灰岩を原料とする石灰に繋ぎ材となる繊維(スサ)、海藻糊を混ぜ合わせたものの名称。
動画にあるラジャスタン州のPlasterとは混合する素材に若干の違いはありそう。
漆喰壁による調湿性は高い効果があるが、漆喰である石灰は空気中に含まれる二酸化炭素を吸収することによって化学的に硬化する。ようするに、呼吸その他によって排出される二酸化炭素を吸着させることによって、長い時間を経て石灰岩へと戻る性質があるということ。
石灰のつくり方は、石灰岩の主成分である炭酸カルシウムを1,100℃ほどに加熱。その後の処理によって、生石灰(酸化カルシウム、CaO)または消石灰(水酸化カルシウム、Ca(OH)2)とする。
二酸化炭素を放出させる熱分解により製造するこの技術は、これは人類が古代から知っている化学反応の一つであり、ギリシャ時代の建築をはじめ、ヨーロッパ各地。日本に於いても、石灰は城壁の白壁のような建築のみならず、農業における土壌改良材や、製鉄工程で欠かすことのできないものとしても利用されている。
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