Art、とりわけContemporary artとの出会いは、自分のこの人生にとって極めて重要な出会いであったことは間違いない。
ただ、Contemporary artとの出会いによって、Artは≒美術であって、けっして=ではないと思うようになると同時に、この土地に生まれ育ち、この言語で思考する自分にとって、「美術」という言葉が何を意味するのかに深い関心を抱くようになった。
そして何より、少なくとも「美」無くして美術は存在たり得ないことは確かだとして、美術とArtの狭間にこそ自分の求める何か があるような気がしている。
つくり、考え、話す といった機会は、自分がこの世を生きる上でことさら重要だと思ってはいるのだけれど、およそ一か月間という展覧会としては標準的な会期の中で、世間から隔絶されたような、白い壁に覆われた倉庫の中に。たった一か月間。人間の一生からすればほんの短かな時の間だけ出現する時空だからこそ、「生」と「美」の関係に触れることができるのではないか…。
これ以上の長い時間は必要ない…というか、この世を生きている間はこのくらいが丁度良いのかもしれない。
そう思うと、自分の行為(作品)は、ここに存在する時間と一緒に消え去ってしまうのが当然ではないかと思う。
昨日。この作品の最終段階となる泥を塗る前に、何となく、何かが足りない…と感じて、つくりはじめてはみたものの、どうにも納得のできる状態には至らなかった…。
小池雅久展 2022
Masahisa Koike Solo Exhibition 2022
「Muddy River 泥の河」
2022年10月10日~11月9日
FlatFileSlash Warehouse Gallery
〒長野県長野市小鍋11-17
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