「Work In Progress」

Work In Progress(ワークインプログレス)は、進行中の作業や未だ完了していない作業など、制作・製造の途上で未完成状態を指し、その対象は物品や文書、ソフトウェア、プロジェクト、芸術作品、方法論など様々。

1999年から2013年までの間、東京都国立市で、PlanterCottage(プランターコテッジ)と名付けたArt projectでもある場づくりを行っていた。それはまさに途上。未完成ながらも日々変化し続ける状態を、そこで出会った人々、訪れる人々と共有しつくり進むこと…

自分はそれを Work In Progress として捉えていた。

今回の作品制作展示(前回も同様に)も、捉え方としてはこれと同じく、作品は完成という方向には向いてはいるものの、完成が目的というよりもむしろ、日々変化し続ける状態、刻一刻と変化する状態そのものを見続けたいと思っている。

これもまたWork In Progressということになるとは思うけれど、呼び方はどうであれ、毎日公開制作そして展示を行っている。

昨年6月の作品が「動」であるとすれば、今回の作品「Muddy River 泥の河」は、「静」とも言えるかもしれない…。

私たち動物は、外部との関係性を有意識、無意識として感じながらこの世を生きている。

作品は少なからずそうした意識と関係しているし、自分が設定しているおよそ一か月間インスタレーションとは、言い換えればそれは、この一か月間の自分の意識の変化の過程とも言える。

前回の制作展示では、一つ一つの作業の痕跡をすべて見えるようにして制作していたことに比較すると、今回「Muddy River 泥の河」では、前日までの作業の痕跡を出来る限り覆い隠す、上に重ねる作業の連属性を考えながらの制作。

ようするに、今日の作業によって見えていた風景は明日は無くなってしまうということだけれど、考えてみれば、この世とはそういうもの。

日々変化し続ける状態…

そうした変化を日々見続けられていることが単純に嬉しいと思う。

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