炉に火を入れる殆どの仕事でもなかったけれど、まぁ、夏に感謝する儀式のようなものかな…と、随分と久し振りに炉に火を入れた。
炉の中で燃えているのは、石炭を乾留(蒸焼みたいな?)して炭素部分だけを残したコークスと呼ばれている燃料。
脱炭素社会を目指す社会からすれば、悪しき燃料にあたるのだろうけれど、鉄を溶けるギリギリまで熱するには、ガスバーナーよりもコークスが勝る。
真っ赤になった鉄を見ていると、鉄という生命をつうじて、何とも言いようのない生命の本質を垣間見れているような気もして。
何かをつくるため…というよりはむしろ、火が、熱が、鉄の生命を呼び起こすような感覚…。
その昔から火造り仕事をしてきた鍛冶屋たちはきっとみんなそんなことを考えていたんだろうな。
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