次第に晴れ、その後曇り、後に雷雨、夕方には雨、夜半には曇り の予報。
手前側の鼠色の雲が右から左へと流れるその奥には真珠色の雲があって、時々、丸い太陽が透けて見える。
FlatFileSlash Warehouse Galleryは、気象観測のための温度計・湿度計などを入れて、屋外に設置しておく百葉箱の中のよう、というよりも、この建物は倉庫ゆえ、人にとっての居心地の良さに対する配慮はまったく無く、薄い鉄板に覆われた建物は、外部環境の状況を何倍かに増幅させる装置のようだ。
朝のひんやりとした空気が充満する室内と、太陽が昇り、ジリジリと室内温度が上昇した室内とでは、連なる木片の見え方も変わる。
室内の温度が上昇し屋外との気温差が大きくなると気圧の変化が生じ、外の空気が隙間から室内へと流れ込んでくるからだろう、ふと気が付くと、作品を形づくる木片の匂いとは違う、山の木々や植物の匂いが混ざっていることに気付く。
山とまちの境界線上にあるこの場所は、いまこの社会がどういった社会であるのかを感じるために適した場所なのかもしれない。
私たちが追い求める快適さとは、この世をつくる何かを遮断することによってもたらされる…。
そんなことをぼんやりと考えながら山を登る。
今日から、壁土を塗る作業を始めます。
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