個性観 価値観

世間はGW入りしたものの、だからと言って普段と何も変わらない雨の日曜の朝。

いつもどおり、今の季節は朝5時半頃になると、叩く、舐める、鳴く、で散歩に出たがる犬に起こされたものの生憎に雨模様。玄関の外まで出てはみたものの、そそくさと自分から家の中に戻り、なら朝ごはんくれよ!と言わんばかりの目つき。

先日、森林系?ジャーナリストの赤堀さんを、自分が注目する言わば長野のディープスポットへ案内しつつ、一日をつうじて価値観について色々と考えることが出来た。

人は誰しも心の内に何らかの価値観の基準なるものを持っているのだけれど、様々な物事に対する価値基準は色々.重層的且つ複雑でありながらも、そうした様々な価値観を大別するとすれば、社会的一般性価値観と社会的非一般性価値観に大別出来ると思っている。

とは言えもちろんのこと、人は誰しも個性を持っていることからすれば、私たちの誰しもが、異なる個性を持ちながらも、大きく二つに大別される価値観を持ってこの世を生きているということになる。

人は社会的な生き物だとは言うけれど、何をしていったい社会的であると言うのか。

個性が人間としての個別の性質であるにしても、この個の性質を司るものが親から受け継いだ遺伝子情報だけとは限らないのではないか。

遺伝子の持つ働きはそれはそれとして重要ではあるだろうけれど、人はこの世に生まれ出たその瞬間から五感をつうじて社会を感じ取りながら、個の性質を育みそして成長してゆく。

その意味からすると受け継いだ遺伝子情報によって親と似てくる部分もありはするだろうけれど、自分が思うにそれとは例えば、ラジオ受信機の外観のデザインと受信できる範囲に関する性能(FMだとかAMだとか、BSだとか…)に近いものにすぎない。

私たちはこの世に生まれ出たその瞬間にそのラジオ受信機の電源をONにして受信を開始するということである気がしている。

たまに、あの子は親に似て頭が良い…とか聞くことがあるけれど、それは間違いというか、正しくは、そうした受信性能を遺伝子情報によって引き継いだということなだけで、学校での学びに対してその受信性能がマッチしている…ということであるような気がする。

…こういったことを言うと、少々オカルトめいた話しに聞こえるかもしれないけれど、自分がこれまでこの世を生きて来て思うのは、そういった頭の良さは否定はしないけれど、この世にとって大切で必要な頭の良さって、どうもそれだけじゃないな…と思う瞬間というのが色々とあって、例えばここ最近、学校に行かない…という選択をし始めている多くの子供たちがいるのだけれど、それについてあれこれ考えてみると、これは現在の教育の問題というか、社会の問題?というよりはむしろ、もはや現行の教育がこの傾向をもたらす本質に気が付いていないということ…。

しかし実は既に、この世が求める本当の意味で必要な頭の良さとは何なのか…という意識が電波というか波動とし既にこの世のあちらこちらを無数に飛び回ってしまっているのがいま。

そうした電波というか波動をキャッチできる受信機を持って生まれた子供たちが爆発的に増えてきてる…ということなのではないか…と自分は考えている。

自分がいま最も興味あることはこの部分であって、この部分とはこの社会の限界とこの世の現実の狭間。

自分がなぜ美術家でありたいと思っているのか、そして美術にその可能性を感じているのか。

それも例えば上に書いたことのような…子供たちが学校に行かない…という社会としての現実が同時多発的に起こってしまっているこの世の現実は、もはや社会的一般性ある価値観によってだけでは見ることは出来ないし、Artとしての本質が目には見えないものの姿を捉えること、とりわけContemporry Artがそうであるとするならば、いまは未だオカルトとされかねないこの領域に足を踏み込めるのはArtであり美術ではないかと思うからだ。

かつて、自分にはArtは向いていないのではないか…と思っていた頃、自分のつくるものや場に興味持って集まって来てくれた人の中には、学校に行かなくなってしまった子や、学校は行ってはいるけれど孤立しがちな子たちが大勢いた。

あの頃のあの子供たちも既に大人になっている子もいるし、中には既に子供を産んだ人や学校の先生になっている人もいるかもしれない…。

自らの受信機でいつ、どんな波動をどうやって受信するかはわからないけれど、美術とは、Artとは、そうやってどこかでチューニングしている人たちに向かって波動を発生させることなのではないかと思っている。

現在、Gallery MAZEKOZE では、写真家・山本糾(やまもとただす)展を開催中です。

5月6日まで (※5月1日(月)休み)

午後1時~午後5時

◆5月5日(金)午後3時~ 

山本糾(写真家)と小池雅久(Gallerymazekoze・ 美術家)とのアーティストトークを開催します。

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