僕にとって「会話」はとても辛い作業になっていたのです。

2021年8月、展覧会が行われている大きな倉庫はそのまま北山亨のスタジオと化していた。

広い倉庫の右側半分中央あたりに大きな作業台があって、パソコン、プリンター、画材、鉛筆、消しゴム…が整然と並べられ、その上で彼は、まるで決められた作業をこなすかのように淡々と作業し続けている。作業台の脇ある工場用の三本脚の扇風機は首を左右に振りながらブーンと音を響かせながら糞熱い倉庫の中の空気をかき混ぜている。

倉庫の左半分の壁面には黒く塗りつぶされた薄い紙に描かれた絵が何枚も並べて貼られている。

黒く重い絵の中に扇風機のブーンという音が吸い込まれていった。

彼は何処を通ってここへとたどり着いたのか。

彼に絵を描かせるものは何か。

彼が描いているものは何か‥ 

生と死が常に隣り合わせにあることは誰もが知っている。

だからこそ、死と再生の繰り返しがこの世を司る生命の本質であるからこそ、死の語らいは宗教の特権として奪い取られ、死の気配を纏う狂気はその祭壇の高みに掲げられるのだ。

Artがここを出発点としていまに至るのだとして、いったいどれだけの狂気が存在したのだろうか。

4月13日(土)14時~

北山亨と小池雅久によるギャラリートークを開催します。

※展覧会閲覧料として、1階カフェにて 1ドリンクをご注文ください。

—Gallery MAZEKOZE展覧会—

【 2024/4/9〜5/11】

OPEN : 火〜土 / 13:00 – 17:00

Fee : ¥500 (w/1 drink)

Cafe & Gallery MAZEKOZE

長野県長野市大字長門町1076-2

@rikitribalmazekoze

下:シリーズ「ストレートヘアーの少女」(1998)

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