休日の朝。
冬の気配を感じて、昨日初めて火を入れたストーブにまだ少し温もりが残ったまま。
土と煙が混ざったような匂いが2階の窓から1階へと斜め下に向かって差し込む光と混ざる、自分が一番好きな冬の気配。
もうだいぶ前のこと。友人から、片付けられない症候群と言う症状があると聞いた妻は、以来、自分にも間違いなくその症状があると、片付けられないことに開き直ってしまっているけれど、そのおかげなのかどうか…持って生まれた才能なのか、マゼコゼは少しづつ確実に、物も人も事も混ぜこぜになっている。
そんな彼女は片付けられない症候群を知る前には、並べるフェチ だと言って、何かにつけては何でもどこにでも並べては眺めていたけれど、それはいまも変らず。ふと気が付くと、ただなんとなく置かれているだけのような混ぜこぜな配置が少しだけ変化していることはよくあることだ。
蔵づくりの倉庫だった建物を改装し、そこに暮らしている我が家には、いわゆる白く綺麗な壁が殆ど無く、土色の壁ばかり。そんな中で珍しく壁らしいのは唯一トイレの中ぐらい…この空間と壁が彼女の絶好の展示空間ということか。
美術館とか画廊とか…いかにも展示しています…という空間はどこか居づらさを感じてしまって見たくても見続けられない…美術家でありながら美術館が苦手な自分。その点、何に気兼ねすることなく、自分一人のペースで展示されたものを見れるのはトイレぐらいなのかもしれない。
今日もきっと壁の前で彼女は何かを思いながら並べ続ける…
そうして少しずつ何もかもが混ぜこぜになってゆけばいいと思う。
コメントを残す