MONSANTO YEARS

ロイター.co.jpによると、アメリカ・カリフォルニア州は26日、米農薬・種子大手モンサント(MON.N)の人気商品である除草剤「ラウンドアップ」に含まれる有効成分グリホサートについて、7月7日から発がん性物質のリストに加えると発表したそうだ。

モンサントと聞くと、いつのまにか反射的に中指を立ててしまう自分だが、とりわけ除草剤「ラウンドアップ」は、もっとも身近な、目に見えるモンサントなのだ。
多国籍バイオ化学メーカー、モンサントの遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは90%。化学薬品、プラスチックや合成繊維の製造、かつてベトナム戦争で使われ、いまでもその影響が残る枯葉剤もモンサント製。
除草剤ラウンドアップはモンサントが研究開発した農薬の一つで、最近は、そのラウンドアップに耐性をもつ遺伝子組み換え作物とセットで開発販売されている。
モンサントは2017年中にドイツに本拠地を置くバイエル社に吸収合併されるそうだが、それは結局のところ、モンサントという汚れたイメージを払拭し、企業の企みをさらに拡大させるということなのだろう。

特定の作物だけは枯らさずにその他の草は枯らすことができる…。
それはようするに、自分にとって不都合なものはこの世からすべて消し去ってしまうことが可能になるということであり、自然生命の原理原則として、できないはずのことを実現可能にするということなのだ。
このことは発癌性物質の有無以前に生命倫理としての大問題であるはずだが、もはやその倫理観もラウンドアップによって消し去られてしまったかのよう。
こうしてつくられた意識は社会のあちらこちらに飛び火する。

問われるべき問題の本質は、雑草を枯らすために研究開発された薬品ではなく、自分にとって不都合なものはこの世からすべて消し去ってしまおうとする意識そのものを商品として売りさばいていることだと思う。
そこは人として立ちってはならない禁断の領域。
もはや手遅れだが、そこに踏み入ることは誰であろうと、多国籍企業であろうとけっして許してはいけなかった…。
そして、モンサントはきっとこう言う。
「望んだのはあなたでしょ」と。

そう…、
ラウンドアップに限らずもはや農家の必需品とばかりに除草剤が乱舞する日本の里山の現状を見れば、モンサントをここまで巨大化させてしてしまったのは、この社会に生きる我々そのものなのだということが痛いほどにわかる。
もちろん、猛毒の発癌性物質が含まれていることには企業としての責任はあるだろうが、おそらくそんなことはとっくの昔からわかっているはず。
人の意識が変わってしまうこととラウンドアップの因果関係を証明することは限りなく難しいのだ。

今年ついに…と言うか、ようやくと言うか、米づくりをはじめた。
苗の準備やら水の管理やらあれやこれやを人に頼りまくりながらではあるけれど。
そもそもどのくらいの広さでどのくらいの収量が望めるのかすらわからない自分。
そんな自分が米づくりをはじめた理由の一つは、米づくりにおける懸案、田んぼに育つ草とリアルに対峙してみたかったから。
自分で言うのも何だが、この忙しいのにさらに忙しくなるのは間違いないし、ほんと大馬鹿野郎だと思う。

長野市内の自宅から車で30分ほど。
でも、本業の仕事もあるので、田んぼに行けるのは多くても週に2回がいいところ。
田んぼに行く…ってことは=水草と向き合う…ってこと。
まわりには除草剤を使わない田んぼは殆どない、弟夫婦と自分たちぐらい。
お前らみたいなもの好きは村中探したってほんの数人だけだそうだ。

6月の末に田植えをしてから早一ヶ月。
稲は順調に育ってはいるものの、あれやこれやの水草たちも同じく順調に育っている。
できることなら、ビオトープ的な共存共生とゆきたいところだけれど、残念ながらビオトープ状態では米の収穫はあきらめるしかないらしい。
稲の成長を優先するとなると稲以外の水草たちは要らぬものとしての扱いにせざるを得ない。
でもね、奴らも必死なんだ。
ひっこ抜いても、ひっこ抜いても、次から次へと生えてくる。
だからこっちも必死にならなきゃな…って思う。
米つくってる農家の人からしたら自分たちなんて遊びみたいなものだと思われてるだろうけどね。
まぁたしかに自分としても何やってるのかなって思うし。
でもね、草を抜きながら思うわけですよ。
これでできた米は最初にどうやって食べようかな…とか、
もう少ししたらいまは要らない水草も少しは残せるのかな…とか。
畦の草花は残してもいいかな…とか。

こんな大馬鹿野郎と一緒に田んぼに入りたい人はどうぞお気軽にご連絡ください。
只今、大水草祭り開催中です。

Monsant

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