相も変わらずワークライフバランスなど何の其の。

生きている。とは言え、この間に心臓を一部サイボーグ化したことからして、この生き方はそれなりに身体に負担を強いているのかもしれないけれど、もはやこの生き方を変えたいとは思っていないし、変えられるとも思っていない。

結局はこの身体には申し訳ないけれど、この世を生きていられる間はこの生き方に付き合ってもらうしかないのかもしれない…。

いまも変わらず、自分は「働き方」に対する意識が薄い… というよりもむしろ、この社会を働くという感覚を持って生きていない。

これは、社会性(共同感覚)が欠落しているためなのか…と考えたりもするけれど、いやいや、そもそも社会性など所詮はこの社会が抱かせる幻想に過ぎない…。

たとえ自らが自覚的に働いてなどいなくとも、この社会は「働き=社会性」という共同幻想を抱かせる様々な仕組み、企みによって維持存続されていると考えれば、そもそも、この世の全体性にとって、働くという感覚はどれほど必要なのか…。

この社会に於けるすべての働きを良しとするところに、抱えきれないほど多くの歪みが生じてはいないだろうか。

「働き」を疑え!

自分は、働かず、生きたい と思う。

写真の説明はありません。

「生き方 働き方」

 (8年前の投稿から)

 

普段、あまり気にもかけないものに対して、ふと気が向くのは、そこに何かが重なっているから。

ワールドカップは何処が優勝したかも知らぬ間に終わっていたし、プロ野球にもまったく興味のない自分が、蕎麦屋のテレビで高校野球の地区予選を目にしてから、なんとなく地元高校のその後を気にしていた。

もう随分と昔のこと…高校生時代、新体操部に所属していた。

男子新体操という極めてマイナーなスポーツとは言え、インターハイや国体ともなれば強豪ぞろいで、そこでそれなりの成績を出すためには、毎日の練習はもちろん、週末や長期休みの合宿も頻繁にあった。授業のある日の試合や遠征はすべて公欠扱い。公とは言うまでもなく学校であったものの、男子新体操部が公欠して遠征に出かけていることを殆どの同級生は知らなかったと思う。

新設校だったからか、知名度を上げるとか、スポーツ教育をあれこれ試す目的もあったのだろう…水球、高飛び込み、硬式テニス、新体操など、周辺の高校には無い運動部が多かった。

入学してすぐ「国体に行きたくないか…」という体操部の監督の誘いにのった私は、その言葉どおりインターハイと国体を経験したものの、高校2年になってしばらくして退部した…あれから数十年後のいまとなっては、退部した真意など思い出せないが、あの時、何をするにもやる気になれない…という、思春期に現れがちな感覚が自分にも現れた…ということだけは確かだと思う。

目には見えない…言葉にも言い表せない感覚に覆われたまま、此処から出ること…東京に行くことだけを考えていたあの頃…伸ばした手にたまたま触れたのが美術だっただけ…此処から出れるならなんでも良かったのだと思う。

このところ「働き方」という言葉を耳にすることが多くなった。

働くとは何か、何の為に働くのか、というような…。

働き方を「生き方」に含めることもできなくはないけれど、「生き方」へと向う意識は「生命」の本質へと向う方向…非日常的傾向が強いのに対して、「働き方」は生き方のベクトルとはむしろ逆の、日々の暮らしの方向性に沿った意識の延長線上にあるような気がする。

そう感じてしまうのは、「美意識」という曖昧な意識を、この世における自らの生き方の中心に、強引であろうが位置付けようとし続けている私故かもしれないが…。

考えてみると自分には「働き方」に対する問題意識が薄い。

明確な方向性を見い出そうという気持ちが薄い。

高校生の時にあの感覚を感じてからずっと、感だけを頼りに生きてきたようなものだ。

ここ最近、働き方と同様、耳にすることの多い ワークライフバランスは滅茶苦茶、そもそも仕事とプライベートに境目をつくる気も無い…。

これではいくら求人の募集をしていても、怪しくて、危なくて、誰も近付いてこないのも仕方のないことかもしれないが…。

これも全て、「美意識」という女神に魅了されてしまったからか…。

自分にとっての働きとはつくるため…つくることは生きるため。

何故つくりたいのか…と聞かれて答えられるようなら、きっともう止めている。

できれば、自分がこの世からやがて消えてなくなるまでつくりつづけたい…生き方について考え続けたいと思う。

つくるために必要だと思えれば何でもしてきたし、こらからもきっとそんな働き方は変わらない気もする。

働き方を考えて生きるのでは無く、生きる為に働きたい。

「それでいいんだ。」

最近出会った青年は、この頃この言葉が好きだと言っていた。

それはシンプルでゆっくりで自然だから…と。

なるほど、素敵な言葉だと思った。

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