TLUD Stoves(WoodgasStoves) 報告その2

RIKI-TRIBAL SUSTAINABLE ART WORKS
Rocket Stoves & Biomass Cooking Stoves Workshop

先週の土曜日に開催した、『畑の家』でのWSのメインテーマは、畑の家を暖房するための“ロケットストーブヒーター”をつくることでしたが、その前に、「煙が燃える?」についてもうちょっと詳しく見てもらいたい…と思って、
自作 TLUD Stovesを使ってみてもらうことにしました。

TLUDは、Top Lit Up Draftの略です。
…とは言っても、なんのことだかわかりませんね・・・。
TLUD Stovesは、Woodgas Stovesの一つ
木材などのバイオマス資源が燃える際に発生する可燃性ガスを燃焼させる驚き桃の木の優れものストーブです。

Rocket StovesもTLUDも、
①煙を燃やす燃焼構造(二次燃焼)
②身近な材料で自作可能
である点からするとかなり似ている兄弟型ストーブですが、とは言え…それぞれには長所短所があって、どちらが優れているかという答えは出しにくいとは思います。
ヒーターとして使うのなら、ロケットストーブ
コンパクト性では断然、TLUD
といった感じですが、個人的にはTLUDってすげ~じゃん!…といったところです。

そしてなにより、TLUDの最大の特徴は、煙を燃焼させることによって「バイオ炭:Biochar」ができることです。
…言い換えると、バイオ炭がつくられる過程で発生するガスを燃料として燃やすのがTLUD Stoves です。

…と書き出してしましましたが、「バイオ炭(Biochar)」とはじめて聞く人も多いかもしれませんね。

バイオ炭(Biochar)とは、木材や植物などのバイオマス燃料を、酸素の少ない状態で加熱し熱分解を経て得られる炭素に富んだ物質のこと…ようするに炭のことですが、備長炭など、主に調理用燃料として使われるような木炭をはじめ、有機農業などで用いられたり、土壌改良材として用いられる籾殻燻炭などもみなバイオ炭=Biocharです。
このバイオ炭(Biochar)は、『炭素循環』という概念と大きく関係しますが、この炭素循環を促す装置の一つがTLUDなのです。

バイオ炭(biochar)炭素循環についての参考
「亀岡カーボンマイナスプロジェクト」
http://www.6minus.jp/carbon/index.php

TLUDストーブ本体の中に燃料として入れた木片の上部に火がつくと同時に木片からは可燃性ガスが発生します。この可燃性ガスに、きっかけとなる火によって温められた空気が混じりあうことによってWoodgasが燃焼し始めます。
Woodgasが燃焼することによって、燃料となる木片は酸素の少ない状態で加熱され、熱分解を起こしながら、可燃性ガスが燃え尽きると炭へと変化します。
この段階で酸素を完全に遮断すればバイオ炭(Biochar)となり、このままさらに酸素を送り続ければ、炭が燃え尽きるまで燃え続けます。

地球上の炭素量…二酸化炭素量が増加することは、地球環境に悪影響を与えることは既に周知のとおりですが、バイオマス燃料をTLUDのような装置を使うことによってバイオ炭をつくることが可能で、地球上の炭素を長期にわたって(数千~数万年と考えられている)固定することが可能になると同時に、バイオ炭を土壌改良に持ちいることによって、土壌の保水性や透水性、肥料保持性を高めることも期待できるのです。
土壌が元気になれば、植物が良く育つということですね。

日本は間伐や伐採を必要とされた山…林業従事者が減り放置されたままの森林が無数にあります。
こうした深刻な林業問題ではあっても、こうした発想の転換によって、資源の宝庫として考えることもできるでしょう。

身近な材料で誰にでもつくることのできるTLUDが、これからの未来をつくる大きなきっかけになるかもしれません。
一家に一台、TLUD!いかがですか。

写真:お化粧し直した、我が家のロケットストーブヒーター
と、TLUDたち
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