『 畑の家 』の ロケットストーブ ワークショップ

先週の土曜日
“Rocket Stoves & Biomass Cooking Stoves Workshop”
『 畑の家 』の ロケットストーブ ワークショップ
を、東京都国立市谷保の「畑の家」で行いました。

国立市は、私が大学生の頃からのおよそ25年間を暮らしてきた町です。
この町で暮らしていたいたからこそ出会った人…この町に暮らしていたからこそ考えることができたことは数え切れません。
いまこうして長野市で暮らしているのも、自分が生れ育った長野市に戻ってきて何か新しいことを始めた…ということではなくて、国立市で暮らし考えてきたことをいまは長野市で続けている…のだと思っています。
国立市を離れて数年…私の思考性の大半が、「くにたち」という町に暮らすことによって育まれたと言ってもけっして言い過ぎではないと思うにつけ、あの町の何がいったい私を育んだのかはとても興味深いことです。
そんな国立市で…しかも今回のWSの開催場所である『畑の家』が、かつて自分が国立市に暮らし始めた頃の面影を残す谷保地域にあるせいでしょうか…自分にとっては「人を育む」為に必要な何かを感じることのできたWSだった気がしています。
ご参加下さった方、そして、私を呼んでくれた まゆみさん、どうもありがとうございました。

“Rocket Stoves”は、今から30年も前に考案された煙を燃やすことのできる燃焼構造です。固形燃料が燃える際の ゴ―! っという音がロケットエンジンを連想すること、ヒートライザーとよばれる燃焼室内の炎が、ロケットの吐き出す炎のイメージに近いことから、ロケットストーブと呼ばれるようになったようです。
Stovesは、英語ではおもに「調理器具」の意味に近く、したがって、”Rocket Stoves”とは、ロケットストーブ式調理器具という意味に近いと思います。
日本語で言うところの ストーブ=暖房器具は、正確には“ロケットストーブ式ヒーター”ということになります。

このRocket Stoves燃焼構造の優れている点は、
①煙を燃やすことによって煙による致命的な健康被害を軽減することができることはもちろんのこと、
②煙を燃料とすることによって一次燃料(木材、家畜の糞などのバイオマス固形燃料)を大幅に減らすことができると同時に、
③燃焼のしくみが極めてシンプルで単純であることから、
④その土地にある材量でつくることができる=廃品や誰にでも入手可能な素材でつくることができる。さらには、
⑤専門的な知識が無くても、ほんの少しの理解によって誰にでもつくれる。
…という特徴が挙げられます。

ここ数年、日本ではRocket Stoves人気が続いています。
こうした人気傾向を否定するつもりはありませんが、その出会いがたまたまであれ、この燃焼構造に興味を持ってもらえるのならば、ほんの少しだけでもその背景も知って欲しい…。
この世の全ては、目に見える側面と目には見えない側面の両面によって存在しています。
もしも私達日本人が「いま」Rocket Stovesという燃焼構造を知り、それをこの国で使ってみることを通じて、今まで見えなかったものが見えてきたり…いままで気付かなかったことに気付いたりするのだとすれば、それこそがこの日本で、いま、Rocket Stovesを使う最も重要な意味となると私は思います。

しかしながら、Rocket Stovesが考案された30年前よりもRocket Stovesをめぐる周辺の状況はさらに悪化の一途を辿っています。
世界人口約60億人のうちの約50%…30億人がいまも固形燃料(木や家畜の糞など)を燃やして調理するしかない状況にあると言われています。
この現実を生きる人々は様々なタイプのBiomass Cooking Stovesを使いつつ、いまも新しいタイプのStovesを様々に考案し続けています。
それは、そうした人々が選択の余地無く、生命の循環の網の目の中で生きるしか無いということなのです…。
私たち日本人が、原発の是非を問うているいまと同じいまに生きながら…。

Improved Biomass Cooking Stoves
http://stoves.bioenergylists.org/

写真は、自作の小型 TLUD Cooking Stoves (Woodgas Stoves)
先日のWSの様子は、次の投稿にてご報告します。

先日のWSでは、畑の家にRocket Stovesを設置するまでに至れませんでした。
したがって、
『畑の家』”Rocket Stoves & Biomass Cooking Stoves Workshop Vol2”
を、年明け~2月頃には開催したいと考えています。
日時などについては、正式に決まり次第、あらためて告知いたします。

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