「覆い」

ああ…やっぱ俺はこっち方向へ行ってしまうんだよなぁ…と思う。
もうこれだけ生きてきたんだから、自分が、寂しがり屋の人間嫌いであることはなんとなく自覚している。

人が集まれる場所は大切だと思うし、そういった場所づくりの何かしらが自分の仕事ですらあるけれど、人が大勢集まる場所に出かけるのはどうも好きになれない。
仮面をかぶってまで人の前に出る気も無いしその必要性も無いと思っているので、イベントとかパーティーとかもできれば行きたくない。
娘が観に来てね…と言ってくれる間は学校の授業参観に出かけるのは嫌ではないけど、それでもやっぱり好きじゃない。
できることなら、人も来ない人知れぬ山の中で、キノコや苔や草や木や石を見ていたい私。

内気…なわけではないと思うけれど(…世間的には十分な内気か)…だからと言って、社交的なわけじゃない。
…その場の空気を読みとって他人にあわせるのが苦手なだけで、人を避けたいとも思っていない。
なんだろう…きっと、たぶん、人よりも少し多めにその場の空気を読んでしまって、自分が先に勝手に疲れてしまっているだけなのかもしれないけれど…。

こうしてたらたらと書き連ねている自分だけれど、facebookはかなり苦手。
なんというか…この暖簾に腕押しな感じになんとも言いようの無い居心地の悪さを感じるくせに、まだここにいる自分。
…ならやめればいいじゃん…こんなの所詮道具だし…何でそんなに真面に考えてるの…と言われそうだけど、だから…自分は寂しがり屋な人間嫌いな人間であることを自覚しようとしているわけで、…この世に生きているからには、動物や植物だけじゃなくて、どうにか人間も好きになりたいと思うわけで、そんな奴がこの世にはいるってことが言いたいのかもしれないけれど…、美術家という生き方を選択してしまったことと同様、もはやそれについてもよくわからない。

ここを覆い尽くす気配。
この世を覆っている目には見えない空気感 。
いまここ…この世を覆う空気を感じ取ろうとしている気配で満ちている。
攻められもぜず攻める必要も無い安全な位置は何処なのか…と。
使って良い言葉はどれなのかを慎重に選び、集め、そうして集めた言葉を並べ替え、攻めもせず攻められもしない、時代にマッチした自分を探す この気配…。

私はこの気配が何処から生れるのか…について知りたいと思う。
できることなら、この目には見えない覆いを取りはらってみたいと思う。
そうしたら、この世がどう見えるのか見てみたい。

しばらくは山とまちを行ったり来たりしてみようと思う。

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