「惑星の未来を想像する者たちへ」

自分は正しい…という考え方は好きじゃない。
自分の考えを持つことはとても重要だとは思うけれど、それが正しいかどうかは誰にもわからない。
日々、正解か不正解かの判断を迫られるような社会を生き続けることによって、この世のすべては繋がりあいながら、関係性の網の目の上を生きている…という感覚は薄れてゆく。
 
脱原発は正解なのか…。
少なくとも私は、原子力とは核エネルギーであると認識している。
先の世界大戦で核エネルギーを用いた爆弾が広島と長崎に投下され、その爆弾により、あの戦争は終わったとされてはいるものの、あの日、あの時、点けてしまった核の炎は現代に至るまで、世界を分断し、支配し続けていることだけを考えても、それと同じ核エネルギーを用いた発電には断固反対する。
今後、科学技術が進展し、あるいは驚くべき発見によって、放射能をすべて除去できるようになったとしても、二度と再び核エネルギーによる発電はしてはならない…人類は永久にこれを放棄すべきだと考えている。

 

しかし、なによりも、いま私たちは、エネルギーとは「力」であることを理解しなければならないと思う。「力」とは何であるのかの深い議論と認識が無ければ、必ずやまた、それがどんなエネルギーであれ、分断と支配をもたらす「力」になってしまう。
私たちはいま、「力」を使いこなすことができていると言えるだろうか…。
 
あまりに急速に進展する「自然エネルギー」推進の動きに対して、極めて大きな疑問を抱かずにはいられない。
自然エネルギーによる発電は、けっして脱原発をもたらさない。
いや、むしろ原発が生み出してしまった様々な問題の解決を遅らせ邪魔をする。
そう聞いてそんなはずは無いと思うのであれば、「力」とは何であるのか…なぜこの社会を分断する貧困という問題が生じたままであるのかを考えてみてほしい。
 
現在、世界人口は推定70億人。
そのうちの約半数…およそ30億人以上の人々は、生きるために必要な最低限の燃料エネルギーを、バイオマス燃料…木や枝や葉、大鋸屑、紙屑、家畜の糞や食料残さ…などを燃やしながら生きていると言われている。
既にアフリカ諸国では、家庭用エネルギー(調理に必要なエネルギー)に占める木質燃料の割合が9割を超えているにも関わらず、森林そのものが急速に減少し続けている影響もあり、木質燃料は絶えず不足し続けている。
 
国土の68%の森林を抱え、唯一と言ってもいいほどの自給可能な資源である森林資源には手を付けぬまま、国内需要の約8割の木材を、中国、マレーシア、カナダ、インドネシア…から輸入する、世界有数の森林大国、世界有数の木材輸入大国。
この国に暮らす私たちは、核エネルギーを燃やすだけでは飽き足らず、バイオマス燃料を燃やしながら生きるしかない人々が掘りだしたレアメタルを原料にして、太陽光を電気に変え、生きようとしている。

 

「力」とはなんであるのか。
分断と支配は何によってもたらされるのか…。
まだ遅くはない。
惑星の未来を想像する者たちと一緒に考えてみたいと思う。

 

「呪文」

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「元素」

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「money」

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